「えーっと、794(泣くよ)うぐいす平安京、1192(いい国)作ろう鎌倉幕府、1549(以後よく)広まるキリスト教・・・これ覚えて何になるの?」
そんなこと思ったことありませんか?自分は学生時代よく思っていました(笑)だって数字の羅列を暗記すること自体に意味があるとは思えなかったからです。皆さんは意味があると思いますか?無いと思いますか?
この記事では、改めてその点を考えてみましょう。私たちは年号を覚える必要があるのでしょうか?
実際には、テストでも年号が占める点数割合は高くないよね。それでも大体の歴史的な出来事にはそれが起こった年がセットであるんだ。なんで年号がそれほど大事なのかこの記事から分かってもらえると嬉しいな!
覚える年号は、時代の指標として使えるかが大事
まずは私の実体験からお話しすると、自分は重要な「歴史の転換点となるような年号」しか覚えていませんでした。なぜかというと、指標としてはそれで十分だからです。
では、他の様々な出来事はどうしていたかというと、覚えた年号との前後関係で記憶していました。そして、その方が圧倒的に覚えやすいですし、意味があるのです。
数字は指標として使うと、非常に便利です。
例えば、10,000という数字自体に意味はありません。けれども、10,000円であれば、「ポケモンのソフトが買えて、さらにお釣りがくるな。けど、アルバイト8時間分を費やすのか」と考えたりできますよね。ここで初めて数字に意味が出てきます。
このように数字にそれぞれの意味が結びつくからこそ、覚える意味があるんです。歴史の年号でも、これは一緒で、時代感覚とその流れをつかめる年号を覚えれば、後はそこにあるストーリーのほうが大事です。
実際に下記のような年表があったときには、こんな感じで記憶していました。
1192年 | 源頼朝が征夷大将軍に就任する |
1199年 | 源頼朝が落馬で亡くなり、この源頼家が家督を継承する |
1203年 | 源実朝が将軍に就任する |
1219年 | 源実朝が頼家の子である公暁(くぎょう)に暗殺される |
1221年 | 5月、承久の乱が勃発(幕府が乱に勝利) |
6月、京都に六波羅探題が設置される | |
7月、後鳥羽上皇が隠岐に配流される |
「1192年に源頼朝が鎌倉幕府開くんだよな。初めての武家時代到来ってことで、大きな変化だったんだろうな・・・。もともと権力持ってた朝廷は面白くないだろうな。部活で強いエースが転校してきたせいで、一気に追いやられた元エースみたいな感じだろうし。 もしそのまま幕府が安泰だったら、何も起こらなかったんだろうけど、その後幕府側は20年以内に、初代、2代目、3代目が死んじゃうのか。 朝廷側としては、権力奪い返す絶好の機会がここだ!って感じると思う。だって まだ20年も経ってないから、当時の権力を持っていた時代を覚えている人も多いだろうし、「チャンス!」って感じだったんだろう。 で、鎌倉幕府ができて 19年しかまだ経ってないのに朝廷が承久の乱を起こしたと。とはいえ、幕府の方が強いから結局負けちゃって、次の月には監視役の六波羅探題なんて作られてちゃうし、翌々月には首謀者の後鳥羽上皇は島送り・・・と」
どうでしょうか?こちらのほうが時代感覚がつかめますし、歴史の流れを理解できるので、よっぽど有用だと思います。
年号を覚えくても大丈夫な理由3選
勿論、大学受験等で日本史や世界史を選ぶと年号を聞く問題が出てきたりして、「本当に覚えなくていいの?」と思うかもしれません。受験する学校や試験にもよりますが、自分はそこは捨てていました。
それは、次のような理由があります。
① 細かい年号問題を全部捨てても、点数的には問題ない
自分は高校は公立学校を受験しましたが、そのときに数年分の過去問を眺めました。
そこで、実際に年号が直接出題されたケースを調べてみましたが、思った以上に多くなく、年号以外を正解できれば、9割以上取ることが可能だということが分かりました。
よく出来事順に並び替えよという問題もありますが、年号で覚えるのではなく、出来事の関係性を覚えていれば十分です。(大学では試験科目として倫理を選んだため、必要ありませんでした。なぜ倫理を選んだかは、いずれ機会があれば)
最終的には東大に受かることができたので、この戦略は間違っていなかったと思います。
② 年号を覚えても、将来絶対役に立つ気がしなかったこと
これは非常にシンプルです。年号を事細かに覚えても、社会に出た時に使うとは思えなかったからです。そして、それは正しかったです。
現在は、IT業界に現在身をおいていますが、残念ながら年号を使うことは皆無です。
入社して以来、プログラミング、システム構築、マーケティング戦略、営業戦略、事業戦略、サポート支援など、多岐にわたって業務を行っていますが、一度も使ったことはありません。
勿論全ての職種において、絶対的に不必要とは言えませんが、ほとんどの職業で不必要でしょう。
例えば、下に書いた職業に関しては、どれも年号を覚えるより、職業の後に書いた知識を持つほうが良さそうだと、誰もが感じると思います。
- プログラマー → プログラミング知識
- 営業 → 取引先知識と業界知識
- マーケティング → 市場知識
- ファッションデザイナー → 最新トレンド知識
- 料理シェフ → 調味料/材料知識
- Youtuber → 動画編集知識
- 美容師 → 衛生管理知識
なので、もし記憶する必要があったとしても、その業界・業種・職種に必要なことを覚える方がよっぽど有用だと感じていました。
ただし、年号を覚えいなくても、歴史上の出来事や流れはしっかり覚えていたから、それはすごく役に立っていると感じるよ。それについての解説は、こっちの記事で解説しているから、よかったら参考にしてみてね。
第三の理由:自分の脳のエネルギーを別の所に活かしたかったこと
そうやって、考えたときに「直近の勉強でもそこまで必要じゃない。将来なんてもっと必要ない」ものに頭を使いたくありませんでした。
むしろ年号を覚えるぐらいなら、「なぜその出来事がおきたのか。その出来事がどういう影響をもたらしたのか。その時の人たちはどう行動したのか」という点の方に思考力を使うようにしていました。
年号を覚えることに労力を使うより、上記のことを考えることに労力を使ったほうが、後々の自分の助けになることは間違いないです。
【まとめ】全てを覚えるのではなく、自分で覚える年号を選択する
というわけで、いかがでしたでしょうか?
「年号なんて覚えたって意味ないよね」という思いから、「覚えても役に立つ年号もあるのか。けど全部覚える必要はないな」という思いになってくれたら、嬉しいです。
大事なのは、意図を持って覚えることです。ただ点数を取るために覚えるというのでは、一時のメリットしか得られません。
そうではなく、これを覚えることは何の役に立つのかを深く思考して、学んで欲しいなと思います。
ちなみに、無理に覚えない必要もないからね(笑)。例えば、1221年 承久の乱とかは、個人的に数字の並びが覚えやすいので、自然と覚えてたりもしたので。
おまけ:文部科学省の学習指導要領を見てみるのも、面白いかも?
ちなみに、皆さんは中学校では歴史的分野として、歴史についてどういう観点で学習してほしいと書いてあるか知っていますかですか?
「我が国の歴史の大きな流れと各時代の特色を世界の歴史を背景に理解」(してほしい)
学習指導要領「生きる力」
上記のように書いてあります。
学習指導要領には「目標・内容・その注意点」が(かなりお固い言葉ですが)書いてあるので、もし興味があれば、一度引用先を覗いてみるのも面白いですよ。
「あー、そういう観点で学んでほしかったんだ」というものから「いやー、それはちょっと難しんじゃない」というものまで、色々あって、なかなか興味深いと思います。