みなさん、こんにちは!ぺそです。
先日、こんなニュースを新聞で見かけました。
元々「情報」が大学入学共通テストで出ることは決定していましたが、今回はそれが国立大の受験生の必須科目になる可能性があるんですね。
公立大学協会が発表した「新学習指導要領に対応した入学者選抜に係る公立大学協会の見解」によると、選抜における『情報』の採用は、各大学がそれぞれ判断するものとなりました。しかし、同時にできるでけ速やかに多くの公立大学の試験で採用されることを期待しているという点も強調されていました。
受験生にとっては、科目が増えてたまったものじゃないと思いますが、せっかくなので、そもそも数ある科目の中から、なぜ「情報」が選ばれたのかについて考察してみたいと思います。
Society 5.0 に向けて
Society 5.0 というのは皆さんご存知でしょうか?
これは、今後の日本が目指したい社会のあり方として、内閣府が提示しているものです。
定義を見ると、次のように書かれています。
これだけだと、ちょっとイメージつかないですよね(笑)
内閣府の説明動画が分かりやすいので、そちらをぜひ見てほしいのですが、動画を見る時間がない人のために、ここでは簡単に説明したいと思います。
Society 5.0 の社会は、過去の社会である
- 狩猟社会(Society 1.0)
- 農耕社会(Society 2.0)
- 工業社会(Society 3.0)
- 情報社会(Society 4.0)
の次にあたる社会となっています。
具体的には、自動運転であったり、ドローンによる配送、ロボットによる歩行補佐など、人とインターネットがリアルで繋がっている世界です。
他にも、地域、年齢、性別、言語等による格差を小さくしたり、情報を用いてモノやサービスを必要な人に必要なだけ届けることで、利便性の向上と同時に持続可能な社会の実現ができる可能性を秘めています。
まだまだ Society 5.0 には程遠いですが、もし日本がそんな社会になったらと思うと、ワクワクしませんか?
動画にもあるように、山登りで頂上に着いたときにドローンでホットコーヒーを持ってきてもらってホッと一息、なんてことができる未来があるのかもしれません。
このような社会では、今以上にインターネットやプログラミング、情報知識が必要になるのは想像しやすいんじゃないかと思います。
では、そういった人材は今のままで足りるのでしょうか?
IT人材は今でさえ不足している!
実際の状況を経済産業省のデータから見てみましょう。
見ていただいて分かる通り、2018年時点で、既に需要を満たせていません。
さらに IT需要の伸びが低いときでさえ 2030年には 16万人、IT需要が伸びれば 79万人も不足するという予測がされています。
皆さんが現在高校1年生だとしたら、社会人 3~4年目ぐらいにIT人材が圧倒的に不足している社会になっていると予測されているわけです。
当然その世界では、IT人材の価値は今よりも高いでしょう。
もしかしたらグローバル化が更に進み、ほとんどのIT人材は外国の方になり、日本のIT人材は大幅に減少した世界になっているかもしれません。
もはや「IT人材 = IT業界」の時代ではない
これが IT 業界だけの話であれば、あくまで一つの業界の中での動きなので、「情報」自体をセンター科目に入れたいとはならなかったかもしれません。
しかし、皆さんが思っている以上に、今IT人材は非常に注目度が高く、ビジネスにおいては必要不可欠な存在になっているのです。
ここで注目すべきなのはIT人材 = IT業界じゃないということです。
今や皆さんが当たり前にスマホを使っているように、どの企業でもデジタル技術を使うのが当たり前の時代になっています。
FAX や Email、電話、紙だけを使っているところもありますが、Chat によってコミュニケーションをしたり、書類申請を電子化して効率化するなど、業種を問わずにデジタルは活躍しています。
自分が、デジタル技術に明るくない会社で働くことを想像してみてください。
- 出勤したら、タイムカード打刻
- スケジュールはホワイトボードに毎日記載
- 電話を受け、メモに書き相手に連絡
- 資料は印刷し、紙のファイルで保存
- 申請事は紙を回して、印鑑/サインで承認
上記が全部デジタルになったら、それだけで作業効率が格段に上がるのは言うまでもありません。その空いた時間を生産性の高い行動に振り分けるので、当然他の企業よりも優位になれるでしょう。
そういったデジタル技術を使いこなし、今後もビジネスを成長させるためには、当然 IT に詳しい人が会社に必要なのです。
こう考えると、「情報」が必修化され、共通テストに含まれるようになったのも納得です。
自分を守るためにも「情報」の知識は必要
また、たとえ仕事で使わなくても、身を守るすべになるのが「情報」です。
「情報」で何を目標に学んでほしいのかを、文部科学省が発表しているので、その一部を見てみましょう。
情報の目標(一部抜粋)
・情報に関する法規や制度,情報セキュリティの重要性,情報社会における個人の責任及び情報モラルについて理解すること
・情報に関する法規や制度及びマナーの意義,情報社会において個人の果たす役割や責任,情報モラルなどについて,それらの背景を科学的に捉え,考察すること
文部科学省 高等学校学習指導要領 p.190
例えば、ここ最近では、インターネットにおける炎上騒ぎは珍しくありません。
他にも投稿した写真から身バレしてしまったり、フェイクニュースが飛び交ってたり、SNS を介した詐欺や犯罪もあります。
今後もインターネットと上手く付き合っていくためには、それぞれがそれぞれの知識と責任を持って活用していくことが重要になります。
仕組みを知っていれば、慌てることもありません。
例えば、ワンクリック詐欺ってありますよね。画面には個体識別番号・端末情報・IPアドレス・プロバイダ情報なども記載されており、「やばい!払わないといけないのかも・・・」と思って支払う人が後を絶ちません。
そもそも支払い義務が生じないので無視すればいいのですが、個人情報が取られているのかと思うと恐怖すると思います。
けれど、安心して下さい。IPアドレスなどはネットを使うために必要な情報であるため、送信先に送られるもので、そこに住所や氏名、電話番号やメールアドレスなどの個人情報は含まれません。
こういったことをインターネットの仕組みから理解しているのと、理解していないのでは全然違います。
まとめ
まとめると「情報」は今後の日本において武器になると同時に、自身を守る防具にもなることが分かったと思います。
どうせ受験科目が増えたり、勉強する範囲が広がるなら、自分にとって将来の有益な投資としての時間になるようにしていきましょう!