大学受験の選択は、奇跡の逆転劇「桶狭間の戦い」に勝利した織田信長から学べ

教科

 大学受験をするときには、いろいろな選択をしないといけませんよね。

 「どこの大学を受けるのか?学科は?滑り止めはどこにする?公立 or 私立?上京する or 地元で通う?専門学校でやりたいことを特化させるより、学歴を優先させる?」etc…

 こんなとき、どのように考えて選択をすればよいのでしょうか?その選択の仕方のヒントになるのが、あの有名な「桶狭間の戦い」です。

 圧倒的に不利だった中でも状況を覆した織田信長。彼が何故勝てたのかという点については戦術・戦略に関する数多くの考察がなされています。

 しかし、そもそも信長が戦う判断を迅速に下さなければ、桶狭間の勝利はなかったことは間違いありません。

 そこで今回は、「信長が今川と戦う決意をした選択から、今の私達は何を学べるか」という点について書きたいと思います。

ぺそ
ぺそ

ぜひ「もし自分が信長と同じ状況にいたら・・・」と考えて、記事を読んでみてね!

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桶狭間の戦いとは

 まずは、桶狭間の戦いについて、簡単におさらいしましょう(既にご存じの方は、こちらをクリックすれば飛ばせます)

 桶狭間の戦いは、永禄3年5月19日(1560年6月12日)に現在の愛知県にある尾張国桶狭間で、織田信長軍と今川義元軍の間で行われた合戦です。

ぐるぐるさざえのブログ – 「桶狭間の戦い」とは?分かりやすく地図を使って紹介!より引用

 ここで当時の織田家と今川家の状況ついて簡単に比較してみます。

年齢兵数所領国評判血筋
今川義元412万5000駿河・三河・遠江東海一の弓取り室町幕府将軍・足利家と血縁関係
織田信長273000尾張大うつけ尾張領主の清須三奉行の息子
※ 兵数については諸説あり

 残念ながら上記の情報を見ると、織田家が勝っている点は見つけられません。

 むしろ絶望的な差を感じます。例えるなら「都内の有名スポーツ高の野球部 200人から選ばれたレギュラー VS 地方の一般校で新設野球部 20名の中のレギュラー」の戦いぐらいのイメージでしょうか。

 しかし、結果は地方校であるはずの織田家の勝利に終わります。

 2万5千人の大軍を率い尾張に侵攻した今川家を織田家が打ち破り、なんと今川義元本人さえ討ち取ってしまったのです。

 この戦の影響は大きく、東海地方を制圧していた今川家が没落していく一方で、織田家にとっては尾張を完全統一したうえで、畿内へ進出するきっかけになりました。

 さらには、この戦のおかげで後の天下人である徳川家康は三河で独立することができました。

 まさに歴史的展開となった戦いなのです。

もっと詳細を知りたい人へ

より詳細については、是非「ぐるぐるさざえのブログ – 「桶狭間の戦い」とは?分かりやすく地図を使って紹介!」さんをご覧ください。地図を使って非常に分かりやすくまとめられています。

織田信長の3つの選択肢とそこから学べること

 今回注目したいのは、桶狭間の戦いに望んだ信長の選択です。

 このとき、最低でも3つの選択肢が信長の前にはありました。

選択肢A:城に籠城する

選択肢B:降伏する

選択肢C:戦場で戦う

 結果、信長は選択肢Cを選んで成功しましたが、この選択の仕方に私達が学べるところが3つあります。

 では、それぞれの選択肢を具体的に見ていきましょう。

学び①:リスクとリターンを把握する

 まずは、それぞれのリスクとリターンを考える必要があります。

選択肢A:城に籠城する

 「選択肢A:城に籠城する」を選んだ場合のリターンですが、今川家が城に到達するまでの間は少なくとも生きていられます

 また、もしかしたら今川義元が急死するなどの事態が起きて、織田家は助かる可能性もあります(武田信玄が織田家討伐の進行中に急死したように)。

 しかし、籠城しても援軍が来る可能性は低いでしょう。また、拠点の城を放置し、本拠に籠もるようでは、家来の信頼も失われてしまいますから、離反されるかもしれません。

 きっと何かが起きるかも・・・と期待し、行動しないのは、ただ結論を先延ばししただけで、実は何も選んでいません。

 そして、籠城に失敗した場合のリスクは滅亡です。

城に籠城するのはいい考えではなさそう

選択肢B:降伏する

 続いて「選択肢B:降伏するの場合はどうでしょうか?

 リターンはとりあえず命が助かる可能性が少しあがることでしょうか。また織田家自体は続いて行く可能性があります。しかし大名家としての滅亡は免れません。

 一番うまくいった場合でも従属扱いになるはずです。

 ここでもリスクは滅亡になります。

降伏してもダメそう・・・

選択肢C:戦場で戦う

 最後に「選択肢C:戦場で戦う」を選んだ場合のリターンはなんでしょうか?

 これは非常に大きいです。まず勝った場合、周りの評判が一気に上がります。なにせ今川義元を破ったのですから。これを機に家臣や周りの大名の態度も変わるでしょう。

 また後方の安全が確保され、京都への道筋ができることになります。

 一方リスクは同様に滅亡で、さらに、この場合死は免れないでしょう。

 ここで今一度3つの選択肢を見比べると、あることに気づくと思います。

 そうです。どの選択肢もリスクはどれも大差が無いのに対し、リターンには大きな差があることです。

戦う場合のリターンは大きい

 つまり、リスクとリターンを考えるならば、「選択肢C:戦場で戦う」が妥当な判断だと言えます(勿論選択肢Cを選ぶだけでは駄目で、少しでも勝つ確率を上げる努力は必要です)。

 野球部の例でも同様です。負けて当たり前と思われている状況であれば、逆に失うものがないわけです。むしろ強豪校と戦える経験の方が貴重ですから、負けたとしても戦ったほうがいいわけですね。

 このように、まずは選ぶ選択肢のリターンとリスクをきっちり把握することが大事です。リスクだけでは駄目ですし、リターンだけでも駄目です。

 それぞれが起きる可能性を考慮しながら、まずは選択肢を冷静に見比べることが大事なのです。

ぺそ
ぺそ

大人になっても「なんとなく嫌だなぁ」って思って、選択肢をちゃんと見比べない人が多いんだ。失敗してもそんなに致命傷ではないのに、得られるリターンはすごく大きいことが多々あるんだよ。

学び②:リターンを得るための期限がある

 もう一つ大事な点があります。それは「選択肢の有効期限が決まっている場合が多々ある」ということです。

 そういった選択肢を選んだ場合は、すぐに行動することが大事です。

 先程の信長が選んだ「選択肢C:戦場で戦う」は、今川勢が城に辿り着いてしまっては、もう意味がありませんよね。

 また少しでも勝つ可能性を上げるためには、今川義元の軍勢がもっとも手薄になり、かつ地理的条件*が有利な場所で戦う必要があります。

地理的条件とは

ここでいう地理的条件は地形だけでなく、周りの城の位置なども含まれます。

実際、桶狭間は実際には山でしたが、近くに善照寺砦がありました。そこに織田家は味方の「のぼり」をたくさん立てることで、今川軍は織田軍がそこにいるように勘違いさせたのです。

こういった城の配置の関係なども戦場選びには欠かせません。

 だからこそ、信長は対今川の前哨基地であった鷲津・丸根両砦が攻撃されるや否や、単身な状態であっても進軍を開始したのです。それにより今川軍が疲労している状態で決戦に挑めたとされています。

 皆さんも、選んだ選択肢に期限付きのリターンがある場合は、積極的に行動しましょう。

コラム – 大学入学に期限はある?

 では、大学の受験などは、期限付きの選択でしょうか?一見、今年受験しないといけないので、期限がある選択のように思えます。

 しかし、冷静に考えてみると、大学はストレートに入学せずに2~3年後になっても問題ないですよね?浪人してから入学する人も、いくらでもいます。

 そのことで大学で受けられる教育や時間、経験的価値に本質的な変化はありませんし、浪人したおかげで出会える一生涯の友人さえいるかもしれません(実際、自分の親友は浪人生ですが、そんなの本当にどうでもいいことです)。

 したがって、みなさんが思うよりも選択の期限は短くありません。

 けれど、もし「高校のクラスメートと、同じ大学に受かって同じ時間を大学で過ごすこと」が自分にとっての最大のメリットであれば、それは期限がある選択肢と言えるでしょう。

 この場合自分が1年入学するのが遅れると、その分過ごせる時間が減ってしまいます。

 このように何がリスクで何がリターンかは人によって異なるので、どれが期限付きの選択肢なのかも異なります。だからこそ、学び①のリスクとリターンを把握することがまず大事なのです。

 意外とそのリターンを得るために期限が決められていると勘違いしてしまうケースも多いので、注意しましょう。

本当に今選択しないとメリットを得られない選択肢なのかどうかを考えよう

学び③:損失回避性に負けない

 さて、ここまで信長の選択を見てきましたが、それでも選択肢Cの「戦いに挑む」を選べる人は(自分含め)少ないのが実際のところです。

 どう考えたって、戦ったほうがリターンも大きく、リスクもそこまで変わらないのに、なぜその選択肢を選べないのでしょうか?

 それは人には「損失回避性」があるからです。

 損失回避性というのは、「得られる利益よりも損失を避けようとする習性」のことを言います。

 テストで悪い点を取ったときに、親に怒られるのは同じなのに、ついつい隠してしまったりするときなどには、損失回避性が働いているからです。

 これは、大人になっても同様です。例えば、次のような考えが損失回避性にあたります。

損失回避性による考え
損失回避性による考え

「プロジェクトが失敗することが分かって、今止めたほうが合理的なのに、途中で止められない

「株を買って100万円損したのに、損切りできずズルズルと保持してしまう」

「彼女にもう数十万円貢いでいるけど、今の関係性を断ち切れない

 そうです、人は損失を確定させる判断をするのが非常に苦手なのです。

 一つ思考実験をしてみましょう。

 「コインを投げて表なら2万円もらえるけれども、裏なら1万円失うようなゲーム」と、「コインを投げて表なら5000円裏なら何もなしのゲーム」。どちらに皆さんなら参加しますか?

 合理的に考えて期待値を計算すると、前者は5000円、後者は2500円です。

 であるならば、前者を選んだほうが合理的ですが、大半の人は失う5000円の方が大きく感じるので、損失がない後者を選ぶのです。

すでに得ているものを失う可能性がある選択をするのは難しい

 しかし、時にはこういった心理を乗り越えて決断をする必要があります。

 そして、そうした選択をすると、周りからは理解されないときもあります。信長の打って出るという選択も、海外を1年間旅してから大学に行く選択も奇異の目で見られるかもしれません。

 けれど、大事なのはその選択を選んだ自分自身です。しっかりとリスクとリターンを判断し、その上で行動したならば、後悔も起きません。

 また、このような決断ができるということは、自ら選んだ選択に責任を持てる人であるということです。これは何よりの強みです。

ぺそ
ぺそ

逆に自分で決めていない人ほど人のせいにしやすいんだ。「世間が、会社が、親が」って言う人多いけど、その行動の決定権も責任も基本的には自分にあることを忘れないことが大事だよ

【まとめ】

 というわけで、今回は「桶狭間の戦いにおける織田信長の選択から学べること」をテーマに書いてみました。

選択する時のコツ

リスクリターンを洗い出す
期限がある選択肢なのか
どうかを確認する
損失回避性に囚われていないか
見極める

 言うは易く行うは難しですが、少なくとも上記のポイントを意識しているかどうかでも、大きな違いになります。

 是非、これらのコツを学んで自分の人生に生かしていきましょう!勿論、自分もまだまだです。一緒に皆さんと頑張っていきたいと思います。

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